アフォーダンス入門――知性はどこに生まれるか
アフォーダンス入門――知性はどこに生まれるか (講談社学術文庫 1863)
- 作者: 佐々木正人
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2008/03/10
- メディア: 文庫
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少しだけ
アフォーダンスの意味するところを
知ることができた気がする。
以下
気になる記述を抜粋。
『生きもののするあらゆることは、それだけ独立してあるわけではない。
行為があるところには、かならず行為を取り囲むことがある。
まわりがあって生きもののふるまいがある。』(p.30)
『この世界にあることのすべてが変化の途上の姿なのである。
つまりこの世界には変化しかない。』(p.44)
『この二つ、限りない柔軟性・多様性と、環境にあって、今進行中の行為に利用できそうなことを偶然にではなく、ちゃんと見つけ出すということは、たしかに「知的だ」といわれている人間の行為の特徴でもある。』(p.66)
『行為はとことん多様である。
だが、決してランダムに起こらない。』(p.70)
『ギブソンの造語アフォーダンス(affordance)は、「環境が動物に提供するもの、用意したり備えたりするもの」であり、それは僕らを取り囲んでいるところに潜んでいる意味である。』(p.72)
『彼はぼくらが世界を「直接知覚(ダイレクト・パーセプション)」していると言った。
世界にはそのまま意味になることがある。
知覚とはそれを探す活動なのである。』(p.79)
『ぼくらが死ぬまで絶え間なくしていることの一つに、環境の安定している枠組みを探りそこに位置を定める、ということがある。
それは「具体的で、身体的で、目立たず、ひそかに、止むことなく続いている意識」である。
このことはふつう「姿勢」と呼ばれている。
もっとも基本的な姿勢は、重力への「定位」であり、それは生のいとなみの根本である。』(p.110)
『〜、姿勢とは身体全体で環境とリンクする、知覚の器官を多重に取り込んだ関係のネットワークなのである。』(p.114)
『生きものの動きの制御は絶え間なく動くことで達成されている。』(p.115)
『つまり行為はこれから起こることを「予期する情報」をつくりだしている。
行為はそれが探索し、これから発見することになることによって創造されている。
つまりアフォーダンスを探すことを可能にしているのは、じつはアフォーダンスそのものなのである。』(p.134)
『その原理とは、生きものの運動が、まずオリジナルな、無垢な動きとしてこの環境にあらわれるということ。
そしてあらわれたその瞬間から環境にあることのすべてに出会うこと、周囲のすべてのことと関係してオリジナルから変わった一つの運動があらわれる、ということだろう。』(p.154)
『環境を知るということは、自己を知るということでもある。』(p.183)
『行為によって「環境を変えていく」とき、行為によって環境の見えが変わる。
行為はこの行為がつくった変化によって予期的につくられている。
行為が変えた環境の見えが、引き続く行為を導く。
僕らは行為の環境に及ぼした結果に、つぎの行為の可能性の幅を見る。』(p.208)