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- 作者: 内田樹
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2008/11/07
- メディア: 文庫
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「教養とは「まだ知らないこと」へフライングする能力のことである。」(p.11)
「私が何かを知るというのは、私が知性的には「知らない時の私」とは別人になることによってである。」(p.21)
「多くの人々は、言語的メッセージの価値はそれが内在させている真理や言明の整合性によって決まると思っているが、それは短見というものである。
そうではなくて、より多くの応答メッセージを換気するメッセージこそが、「交換」という尺度で考えた場合には「価値あるメッセージ」なのである。
(中略)
「被引用回数」の高い論文の特徴は、「誰にでもアクセスできる論件」(だからこそ、多くの人が論駁、追試できる)を「他の誰もしなかった切り口で論じた」(だからこそ、他ならぬその論文が引用される)ことにある。
開放性と独自性、ユーザーフレンドリーとユニークさという両立のむずかしいものを両立させること、それが「反対給付の欲望」に点火するメッセージの特質なのである。」(p.275-276)