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Report:第44回日本リハビリテーション医学会学術集会 急性期リハビリテーションの実施は低調_DPCの包括範囲への移行論は妥当性なし たらい回しはリハ効果を低下

記事:Japan Medicine
提供:じほう

【2007年6月11日】
 第44回日本リハビリテーション医学会学術集会が6日から3日間の会期で、神戸市で開かれた。急性期リハの重要性が指摘される中で、医療現場では急性期リハの提供が進んでいない実態が明らかになった。

 「DPC導入とリハビリテーション医療」に関するシンポジウムで松田晋哉教授(産業医大、厚生労働省DPC研究班主任研究者)は、急性期リハビリテーションの臨床的有用性を評価するため大規模臨床研究が必要との考えを示し、近く、DPC対象病院におけるリハビリテーションの現状調査に着手する方針を示した。
  調査は、脳血管障害、大腿骨頸部骨折の2疾患。松田教授は、リハビリテーション医学会関係者に調査協力を要請した。
  今回の調査設計の背景には、これまでのDPC病院のデータから急性期病院で十分に急性期リハが行われている状況にはないとの判断がある。また一般的に、「DPC導入によって在院日数の短縮化が進み、急性期リハが不十分になっている」との声も聞かれる。
  松田教授は、「そもそも急性期リハが十分に行われていない現状がある」と説明。具体的に2006年にまとめられた福岡県地域リハ実態報告書では、急性期病院から回復期リハ病院入院前のリハビリテーションの実施状況は、435人の脳卒中患者のうち、理学療法が行われていたのが198人(45.5%)で、作業療法では148人(34.0%)、言語療法69人(15.9%)となり、いずれも過半数に届かない低調な結果だったと解説した。
  発症後リハビリテーション開始までの日数は、3日目と7-13日目が多く、2峰性を示すことも明らかになった。
  松田教授の報告から注目されたのは、急性期病院から回復期リハ病院へ直接転院できたのが435人中371人で、そのほかの患者については急性期病院1-2カ所を経由した後で回復期リハ病院にたどり着いていたこと。
  松田教授は、急性期病院から直接、回復期リハ病院に転院した患者のリハ効果の方が高かったことを解説。急性期病院と退院先施設の連携を十分確保する重要性がリハビリテーション医療の質を高める上でも必要とした。
  一方、医療現場からは聖隷浜松病院(744床、平均在院日数12-14日、5月から7対1看護)がDPC適用患者のうち、リハビリテーションを提供していたのは約14%だったことことを明らかにした。

産業医大・松田教授 疾病横断的なリハの包括化は難しい

 同シンポでは、厚労省がDPC参加への拡大方針を示すとともに、10年度診療報酬改定での調整係数の廃止の動きから、現行体系で出来高払いのリハビリテーションが、今後、包括範囲に組み込まれる可能性を危ぐする意見もだされた。
  これに対して松田教授は、「制度設計は厚労省中医協が行うことだ」と前置きした上で、DPCについては、傷病名が優先される分類であるため、疾病横断的なリハビリテーションを包括化していくことは難しく、出来高範囲に置く方が妥当との見方を示した。また、聖隷浜松病院の高橋博達氏は、「85%がリハ非提供だったことを考慮すると、リハビリを包括範囲に組み込む必要性がない」との見方を示した。